病気に耳を傾ける

nakatomimoka2012-07-23

玄侑宗久さん。「昏睡状態の人と対話する技術を開発したことで知られるアーノルド・ミンデルというアメリカの心理療法家は『プロセス指向心理学』という方法論の創始者でもあるんですが、この方は、病気を尊敬し、耳を傾けるという方法を臨床の場でなさっているそうです。病気を尊敬するといっても解りにくいと思いますが、そもそも病気というものを抑圧された自己だと捉えるんですね。そして自分の一部でもある病気の立場になってもらって、患者さん自身の声にならなかった声を聞き出すんです。これは相手が嫌な人間だとしても同じですよね。相手の言い分が理解できたら怒りや憎しみは消えます。同じようにして自分の中の病気の言い分をよく聞くことで、不思議なことに実際に難病が治っているそうです」抑圧された自己を軽んぜず、耳を傾けてみる。