時間割引説と変化知覚説

池谷裕二さん。「年齢を重ねるほどに『時が早く過ぎる』と実感します。物理時間の経過は一定なのに、感覚的な長さが変わるのはなぜでしょうか。よくある説明が『時間割引説』です。5歳児にとっての1年間は人生の20%に相当しますが、50歳の大人では僅か2%です。だから主観的な一年が違う、という主張です。ほかに有名な考え方として、『変化知覚説』があります。子どもは初めての経験がまだまだ多く、一瞬一瞬が新鮮で、同じ時間を生きても覚醒度が高いという考え方です。一方、大人になれば目新しいことに出会う機会は徐々に減ってきます。本当は毎日が生きられることは奇跡的なイベントなのに、それに感謝できず、マンネリ化した平凡な日々になります。つまり、変化を感じる機会が乏しいから時間が早く感じられる、という主張です」ふむ。