三重戒是故人掟

nakatomimoka2014-02-11

林望さん。「世阿弥は、『風姿花伝』の序文のなかで、『一、好色・博奕・大酒、三重戒、是古人掟也』と教えている。当たり前のことばかりである。いくら金満家となったからとて、それで銀座や六本木あたりのバーなどに夜な夜な繰り出して、じゃぶじゃぶと金を遣うなどというのは、すなわち昔で言えば、吉原で女郎買いに身上潰すのと一般、好色放埓の行いだと言ってよい。そういうことは、私の最も唾棄してとらざるところである。また博奕、すなわち、競馬競輪賭けマージャン等、およそ賭け事というものに、私は一切手を染めない。そして大酒。私はもともと醇乎たる下戸だから大酒をするはずもないのだが、もし仮に酒が飲めたとしても、おそらくは大酒飲んで暴れ回るようなことはしなかったに違いない」飲む・打つ・買うに関する戒めは故人からの掟だったのだ。