小吏にも礼を以て

nakatomimoka2015-12-27

高田明和さん。「宋の太祖に仕えた将軍に曹彬という人がいました。この人は戦争の重要な局面ではいつも総司令官として重用され、天下統一の後にも軍事の最高責任者に任命されました。このことは彼の軍人としての能力の高さの証明ですが、同時に」曹彬は人間的にも立派だったのです。彼は最高責任者でありながら、いつも謙虚な姿勢を崩さなかったそうで、『小吏に接するにもまた礼を以てし、いまだかつて名を以て呼ばず』と書かれています。当時の人は本名以外に字という別名を持っていて、本名で呼ぶことは失礼とされていました。曹彬はどんな地位の低い役人に対しても本名で呼ぶ非礼を避け、正式に『字』で呼んだのです。中国の『戦国策』に『恨みの深浅は心を傷つけるかによる』という言葉があります。どんな相手にも礼儀正しく謙虚に接しましょう」礼以。