お茶千回

nakatomimoka2016-01-11

池澤春菜さん。「お茶を例えるのなら、私は、句読点だと思う。どんな良い文章も、句読点がないと読みづらい。(略)私たちの生活の中でも、一度ゆるめたいとき、もう少し頑張りたいとき、頭を整理したいとき、背中を押して欲しいとき、一杯のお茶を飲むことでリズムが生まれる。お茶の葉がお湯の中でゆっくりと息を吹き返し、ほぐれ、しっかり抱え込んでいた香気や滋味や色彩を解き放つ時間。同じ三分でも、日によって長さが違う。同じお茶でも、日によって味が違う。お茶をいれるというのは、心をお茶に映して見ることなのかもしれない。中国茶の先生に、同じお茶を千回いれなさい、と言われたことがある。あまりに広大無辺なお茶の世界に途方に暮れ、「どうしたら、もっとお茶のことがわかりますか」と聞いたときに。返ってきたのが、「お茶千回」だった」千回。