幸福は社会的成功を上回る

nakatomimoka2016-05-28

冲方丁さん。「『天地明察』では、ある種の理想を書いたといえます。社会的経験と個人の幸福が、星のように交錯する瞬間を書くことがあの作品の命題でした。社会的挫折は個人の幸福を左右しません。個人の幸福は社会的成功を上回ります。人間は生きている限り修行を続けているようなものです。少しずつ自分の中に幸せを感じたり、つくったりしていくことは、目に見えない内臓をつくるようなものです。そうしてつくりあげたものが、自分の中の動かざる中心軸になっていきます。しかし、養分を社会的経験にとられ過ぎてしまうと、肝心なほうにはなかなか養分を回せなくなる。葉っぱの剪定と同じです。どこかを切っていかないと、いつまで経っても枝を伸ばせず、花を咲かせられなくなるのです」そうなんですよね。個人の幸福は、社会的成功を上回る。