世界と一体化するための儀式

nakatomimoka2017-09-03

冲方了さん。「サイコロを振ってどんな目が出るかはわからなくとも、そこで何かの目を出しているのがあくまで自分であり、他人がサイコロを振っているわけではない、ということが人間にとっては重要な意味を持っています。実際に何をしたかは別にして、自分でサイコロを投げたという実感が得られたなら、その瞬間、ものすごいリアリティを感じて一体感をもつことができます。そこで、どちらが出るかは偶然に支配されていても、決定したのは自分なので、自分の運命だと受け入れられる。こうした行為は、世界と自分を一体化させるための儀式だと言えます。社会や世界、宇宙全体は本来、自分の意志などとは無関係に動いている。それでも飛び込んでいき、偶然起こったものごとを、自分の意志や行動の結果として受け入れる」すべては偶然ではなく必然。