もう一つの時間の大切さ

nakatomimoka2018-01-11

鷲田清一さん。「いまひとつは、日々の暮らしにおけるもう一つの時間の大切さである。くだんの彼女は、息を抜くこともできない番組制作のあいまに、ずっと持続する別の時間を持つことになった。急いで答えを出そうと焦ることもなく、一つの問いを温め、それについてゼミ生とも存分に語りあえた。いっそう忙しくなったはずなのに、彼女にとってそれは別の呼吸をすることであった。望もうにも、もう一つの時間をもつということは実際のところむずかしい。親の介護やペットの世話に明け暮れる人、子育てにかかりっきりで息も抜けない人、一日のほとんどの時間を組織の課題で刻んでいる人……。じぶんの時間なのにじぶんでどうこうできない人たち、時間に『あそび』の幅を持たせられない人たちが、世の中にはいっぱいいる」複数の違う時間をもつことの幸せ。