ポリクロニックな存在

nakatomimoka2018-01-10

鷲田清一さん。「一つの時間を生きる、あるいは一つの時間をしか生きられないというのは苦しいことである。生きものとして人間に無理をかけるからである。人はいろんな時間を多層的に生きるポリクロニックな存在である。仕事にあたりながら、心ここにあらずといった感じで別の思いをずっと引きずったままのときがある。手が止まり、放心したかのように思い出に浸るときもある。ずっと心にひっかかるものがあって、一つのことに集中できないことがある。過去へと流れ去ってくれないトラウマに心がじくじく疼いたまま、というときもある。そのように意識がさまざまの時間に引き裂かれたさまざまに異なる時間が、ときに眠気や疲労感や空腹感の形で、あるいは尿意や便意、陣痛のかたちで、意識の時間に割って入ってくる」多層的ながら今はここに集中して。