仕事の復権

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泉谷閑示さん。「『労働教』が支配する現代に生きる私達にとっても、このアウシュビッツの標語が私達へのかなり痛烈なアイロニーとして見えてくるのです。私達もいつの間にか、この『働けば自由になる』という虚偽の標語に追い立てられ、騙されていやしないだろうか、ということです。アレントも言っていたように、『労働』から完全に離れてしまうことは、人間から活力と生命を奪い去ってしまうことになる。これは、生き物としての一つの真実です。しかし、だからといって、『労働』によって殆どが占められるような生活もまた、決して人間的な生活とは呼べないでしょう。やはり、『仕事』の復権や『活動』というものへの目覚め、そして忘却されて久しい『観照』というものを、例え僅かであっても日々の生活の中に復活させる事が大切なのではないでしょうか」観照