観照生活こそ

nakatomimoka2018-11-03

泉谷閑示さん。「ハンナ・アレントは、人間の活動全般を三つに分けて考えました。労働と仕事と活動の3つです。『労働』とは、人間が動物の一種として生命や生活の維持の為に、必要に迫られて行うような作業を指しています。『仕事』とは、人間ならではの永続性のある何か、例えば道具や作品のようなものを生みだす行為を指し、『活動』とは、社会や歴史を形成するような政治的働きかけや芸術などの表現行為のことを言っています。しかしアレントは、ギリシャ時代には、これらのどれよりも大切なこととして、本来は『観照生活』というものが位置づけられていたと述べています。この『観照』とは、現代の言い方では内省や瞑想といった言葉が近いかもしれませんが、自然や宇宙の真理を感じ取るべく、静かにそれと向き合う事を指しています」人間のあり方として。