記憶さえ把握できれば

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玉樹真一郎さん。「『蜘蛛の巣の向こうに扉がある』『棒は木のような材質だ』といった情報が明確になるように、注意深く見た目や音をデザインしてはいます。何せパズルを解くパーツになる情報ですから、伝達ミスは許されません。一方で、デザイナーが伝えることを放棄して、プレイヤー全員わかるに違いないとかかっていることもあります。どんなプレイヤーでも、人はみな『木は燃える』ことを知っているはずだ、という点です。逆に言えば、プレイヤー全員が持っている記憶さえ把握できれば、そこから体験をデザインできるんですね。プレイヤーの記憶。それは、個々のプレイヤーが自ら人生を歩む中で懸命に学んできたものです。だからこそ、プレイヤーは謎を解いた瞬間、まるで自分のこれまでの人生を肯定されたかのような気持ちになるかもしれません」ほう。