言葉で封じる

佐久間宣行さん。「たとえば僕は、新しい現場に入るたびに『キレる人はキャパシティが狭い。仕事ができないこととイコールだ』と口に出しまくっていた。怒りでまわりをコントロールしようとする人を、先手を打って言葉で封じる作戦だ。封じ込め作戦にはもう一つある。『嫌なヤツ』の話をねつ造する方法だ。『前の現場にはこんなことでキレた人がいて、ほんとダサかったし困った』『あの局には理不尽をまき散らすディレクターがいて、誰にも慕われていないらしい』架空の悪役やエピソードをでっちあげて、『我々のチームにはそういう人はいないですよね』と事前の圧をかける。同じ轍は踏まないようにしてくれるので、驚くほど平和な現場になっていく。一人の問題児が、全体の空気を悪くすることもある。そんな人を封じ込める為なら、多少の嘘は構わない」先手。