気をそらしても

イーサン・クロスさん。「当時、内なる声の反芻と闘うための主要な方法の一つは、『気をそらす』ことだった。いくつかの研究で、人々がネガティブな言語的思考に囚われていたら、問題から注意をそらすと感情が上向きになることがわかっていた。だが、この方法のマイナス面は、気をそらすことは短期的な解決策でしかないということだ。傷を治すのではなく目立たなくする絆創膏のようなものだ。実生活の困難から逃れるために映画を観に行っても、問題は依然として存在しており、あなたが映画館から出てくるのを待ち構えている。奇妙なことに、当時、距離をとるという考えは心理学において時代遅れとなっていた。距離をとることは回避―問題について考えないこと―と同義になってしまった。しかし、距離を置くことが本来回避的ということはまったくない」客観。