下降はなぜ起こるか

アーサー・ブルックスさん。「ほとんどの人にとって、落ち込みは大きな謎でもあります。私たちは早い時期に『継続は力なり』だと学びます。1万時間といった膨大な練習をこなせば特定の分野を究められる、と伝える研究結果が山ほどあります。言い換えれば、人生には『やればやるほど上達する』という方程式があるのです。では、下降はなぜ起こるのでしょうか? より有力な説として、脳の組織が変化すること、特に前頭前皮質(額の裏側に位置する部位)のパフォーマンスが変化することが挙げられます。前頭前皮質は、幼児期には最後に発達し、成人期には最初に衰えはじめる部位です。ワーキングメモリーや実行機能、抑制機能(目の前の任務と無関係な情報を遮断することで、集中力や核となるスキルを高める能力)を担う、中枢機関でもあります」年齢と共に。