全力であたる営み

三浦知良さん。「浮つくことなく目の前の一日に向き合いたいね。会社勤めの人たちは節目の年齢になると、仕事人生の残り時間に思い至るという。年を重ねれば選択肢や可能性は広がるよりは狭まっていく。僕も似た思いがよぎることはある。契約を結べるキャリアを続けられるか、体に高い負荷をかけて大丈夫なのはあとどれほどか。残りの時間の意識が、同じ一日一日をより貴重なものに感じさせるのかもしれないね。『実績も名誉も手に入れて、普通にしていれば生活もできて敬意も払われるのに。なぜわざわざ難しいところへ行くの?』。周りからしたら、満ち足りていると見えるのかな。でも本人からすればそうでなく、あれもこれも足りないという感覚に襲われる。サッカーに全力であたる営みを休んでしまったら、自分が終わってしまうんじゃないと思う」全力で。