学習意欲と野次馬

池谷裕二さん。「なぜかヒトは、真実を知ることに快感を覚えます。真実を追求することには、生存における利点があります。たとえば足の裏が痛い時、単に痛がるのではなく、傷みの原因を探って刺さったトゲを抜いたり、今後その場所を裸足で歩くのを避けたり、何らかの対処をしたほうがよいことは明らかです。この『確かめてみたい』という欲望は、ヒトが道具を発明したり、科学技術を発達させたり、他者を詮索したりする下地となっています。高尚に発展すれば『学習意欲』、下品に走れば『野次馬』です。確認作業の本能は、赤ちゃんにも備わっています。赤ちゃんは同じ遊びを何度も繰り返します。こうした作業は、当人にとって単なる『遊戯』ではなく、自分が生きているこの世界のありようを、自分の脳に取り込む為の、必死の確認作業なのです」遊びをせむ。