対価を払うほうが

池谷裕二さん。「ある団体に所属する時、希望すれば誰でも入会できる場合と、厳しい審査を経て仲間入りができる場合を設けます。すると、たとえ根拠のない儀式であっても何らかの入団基準があったほうが、入会後に、その団体への所属感や愛着が強くなります。脳は労せずに手に入れたものよりも、何らかの対価を払って入手したものを好みます。一つは皿に入った餌、もう一つはレバーを押して出る餌。どちらの餌も同じです。さて、ネズミはどちらの餌を選ぶでしょうか。レバーを押して餌を取る率が高いのです。苦労せずに得られる皿の餌よりも、労働をして得る餌のほうが、価値が高いというわけです。実は、これはイヌはサルは勿論、トリやサカナに至るまで、動物界にほぼ共通して見られる現象で、『コントラルリーローディング効果』と呼ばれます」だよな。