神様がこれをお酒に

團伊玖磨さんがこう書いている。「尊敬する詩人、堀口大學先生とシャトー・デュケムやトカイを美味しく飲んだ頃を思い出す。先生はお気に入りのワインをお飲みになる時、静かに、ゆっくりと短い詩を口ずさまれるのが常だった。『神様が/これをお酒にしなさいと/下さったのが/葡萄です。』僕はヨーロッパを歩いていて、美味しいワインに出逢った時、一人他国のレストランの一隅で先生の真似をしてこの詩を口の中で繰り返す。」極上の甘口ワインを飲みながら、いつの日か、口ずさみたや、この詩を。