真っ向勝負  

大植英次ブルックナー8番を聴きに行った。大阪フィルを半世紀以上率いた名誉指揮者、故朝比奈隆の生誕の日に、朝比奈が最も愛したブルックナー、それも最も演奏回数の多かった8番を選んで大阪フィルとして初挑戦したものである。「大フィルの公演では常に朝比奈さんの写真を胸にしのばせている。朝比奈さんが作り上げたオーケストラを受け継ぎ、その魂と共に演奏しようという思い」と大植さんはインタビューで語っている。それは世界レベルからすると大フィルは完璧ではなかったにせよ、後半の盛り上がりは真っ向勝負だった。鳥肌の立つような盛り上がりもあった。勝負の時に向け、技を磨かん。