夏の朝の夢

マーラー交響曲第三番には当初「真夏の朝の夢」というタイトルがついていたという。先般、日本人指揮者として初めてバイロイト音楽祭を指揮してきた大植英次さんの指揮で大阪フィルの演奏でそのマーラーの三番を聴いてきた。管楽器が多く入った大編成の日本のオーケストラで、これだけ重層的な音を創っているのを聴くのは初めての経験で、良い意味で期待を裏切られた。独唱、合唱も良かった。大植さんはテレビ番組「トップランナー」や「情熱大陸」にも出演していて、その生き方に魅力を感じる人のひとりなのだが、小沢征爾バーンスタインに教えを受けるにあたり積極的に行動を起こされている。才能と、努力と、それを開花させるための積極的な行動と、情熱と、真摯な姿勢。その上に成り立った芸術としての音楽を、地元の楽団で聴くことができる喜び。