社員を明るく追い込む

伊藤邦雄さん。「ヤマト運輸の社長だった小倉昌男さんは、宅急便を始めるに当たって、社員にこう言った。『成功には最高のサービスが必要だ。だから、これから私はサービスのことだけ言う。利益のことは言わない』と。何より利益の欲しい経営者が利益についてはしゃべらないと自分や社員を明るく追い込んだ。そして、それまで売り上げの中心だった大口流通をやめてしまった。普通は新規事業が育ってから徐々に減らすものだが、小倉さんは退路を断ったのだ。しかも、日本に宅急便という事業を根付かせるという明るい目標がある。こうなると、社員はいいわけができず、やらざるを得ない。『明るく』というのは別に笑いながらやれということではなく、もうやるしかないという気持ちにさせるということだ」業績向上と社員の夢をつなげて追い込みを。