先崎学さん。「実際、島さんは、A級順位戦において、幾多の降級の危機を凌いで来た。毎年毎年、お見事、と快哉を叫びたくなるように凌いで来た。島さん自身、雑誌の連載でこう書いているのを読んだ記憶がある。『A級は特別な人の集まりである。その人達の中で自分のような普通の人間が、いかに戦い抜くかが私のテーマである』これを読んだ時、凄いなあ、と思った。ここまで割り切れるのと、それをさらけ出せる両方が凄いと思った。たしかに羽生を特別な棋士とすれば、島さんは特別ではないかもしれない。しかし、順位戦の舞台で戦う時、島朗という棋士は、特別でないからこそ特別なのだ。島さんの文にもある通り、戦い抜くという心構えにおいて別格なのである。私は将棋に関する限り島さんの愚痴を聞いた事がない」A級を目指したい、普通の私。 ☆