現役の大学生に「もし、今、大学生に戻れたら何をしますか」と聞かれた。ふむ。その時々には必ずしもよい状態ではなかった時期もあったけれど、それも含め、大学時代の四年間は非常に良かったと思っている。だから、「後悔はない。戻っても同じ学生生活を送りたい」と言ってみたり、「テレビの時間を減らし、もっと本を読むか、人と対話するか、映画館に行けばよかったかも」、だとか、「学生時代から臆せずに小説を書き始めてみればよかったかも」などと答えたのだが、どうも自分でもしっくりこない。社会人になくて学生にあるものは何か。そのあと考えていて、「心ゆくまで」という言葉に辿り着いた。次の日の仕事のことなどを考えずに、心ゆくまで語り合う、心ゆくまで本を読む、映画を見る。そんな、いわゆる三昧の贅沢を、今味わってみたいなあ。 ［♪ 中国・杭州］
