謦咳に接する

nakatomimoka2011-11-18

山本良一さん「明治維新を支えたのは、幕末に藩校や私塾などで教育を受けた若者たちです。細切れの知識ではなく、彼らは知の本源的なありようを学んだのではないかと思っています。四書五経をただそらんじるのとは違って、『学ぶ構え』を、古典や先人の教えと、朋輩との議論の中から身につけたのでしょう」「人に会いに行く、謦咳(けいがい)に接するというのも、大きな意味を持ちます。たとえば吉田松陰は、『新論』を著した水戸学の泰斗、会沢正志斎を水戸に訪ね、6回も酒食をともにし、語り尽くしています。松陰の日記を読む限り、71歳の大家、正志斎に対して21歳の松陰はひたすら恐れ入っていたわけではなく、すべてにわたって感化されたわけでもありません。摂取すべきものを見極めるのが幕末教育の神髄です」やはり、直接会うことの大切さ。