窮しても苦しまず

nakatomimoka2014-05-08

安岡正篤さん。「この荀子が、本当の学問というものは、立身出世や就職などのためではなく、『窮してくるしまず、憂えて意(こころ)衰えず、禍福終始を知って惑わざるがためなり』と言っているのであります。窮して苦しまないということ、憂えて心衰えないということ、何が禍であり、何が福であり、どうすればどうなるかという因果の法則を知って、人生の複雑な問題に直面しても敢えて惑わない、という三条件を提出しているのです。窮するということ、心配事というものは、人間として常にあることで、世に処する以上免れないことである。しかしそれだからといって精神的にまいってしまうということでは、我々の人格の自由や権威はない。これができて初めて我々の人格に、主体性、自主性、自立性、即ち自由というものができたことになる」心配事に参らない。