新規性と親近性

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前野隆司さん。「人間は、本来、短期的な幸福をもたらす地位財と、長期的な幸福をもたらす非地位財を、どちらもバランスよく求めるようにできているのではないでしょうか。車の両輪のようなものだと思うのです。「変化」と「安定」といってもいいし、「新規性」と「親近性」でもいい。もともと人間社会は、両者のバランスを取っていた。「競争」と「協調」。東洋流にいうと、「切磋琢磨」と「和の心」。古代ギリシャ・ローマ風にいうと「快楽主義」と「幸福主義」。競争が子孫獲得に有利に働くこともあるでしょうが、皆で協力して安心・安全な社会を作り、共に子孫を育てるほうが、子孫獲得のために有利な場合もあるからです。近代から現代にかけて形成され是とされてきた西洋的な進歩主義が、競争と快楽の追求を強調し過ぎる社会を作ってしまった」バランス。