備長炭にまさるものなし

岩本一宏さん。「もし懐具合に多少の余裕があり、美味しいものを食べたいと思ったら、まず炭で焼いているかどうかをみるとよい。焼き物はすべてそうなのだが、美味しく焼き上げるためには、炭で焼くしかない。炭で焼くことによって高温が得られ、短時間に焼きあげることができるため、美味しさを逃がさないで済む。また、材料から落ちる脂が真っ赤な炭で煙となって昇ってきて、材料に炭の香りがうつる。『スモークがかかる』とはこのことをいう。電気やガスで焼く場合は、高温は得られるものの、焦げてしまう。新しく焼く鳥屋を開こうとしたとき、タレが新しいと商売にはならない。そこで、それまで働いていた店から、漬けダレの甕のとろみのあるタレを半分量分けてもらい、そこに自分で新しくつくったタレを半分量足してから開店する」大切なタレ。