オリバー・バークマンさん。「実際、休息の何たるかを最初に理解したのは、各種の宗教だった。休息は、仕事を中断すれば自動的に得られるものではない。休息を得るためには、何らかのしくみが必要だ。それを理解していたから、宗教は休息のルールを色々と定めてきた。僕の友人はニューヨークのユダヤ人街にある古い建物に住んでいるのだが、そこでは金曜日の夜から土曜日の夜にかけて、エレベーターが自動で各階に停止する。誰も乗り降りしなくても、勝手にすべての階に止まるのだ。これは『安息日に電気のスイッチを操作してはいけない』というユダヤ教の決まりを守るためのしくみだ。人間が休むためには、それくらい細かい決まりが必要なのだ。僕たちは安息日というラディカルな実践を忘れかけている」みんな揃って週に一度の休みを取っていた時代。