中野信子さん。「要は、自分さえよければいいと考えるのではなく、きちんと他人のことを思いやれる人。ここぞという場面だけでなく、日々のちょっとした出来事の中でも、他人のことを思いやれる人でありたい、と考えているのです。実は、これが出来る人が運がいい人、とも言えるのです。このことは生物の歴史が教えてくれます。現生人類が生き延びたのは、ネタンダール人より社会性に長けていたからだ、という見方が有力になってきています。生き残るというのは、ひとつの運の良さといえますね。そしてその生き残りのコツを、ネタンダール人と現生人類の脳の差が教えてくれるのです。そのコツとは、他者を思いやること。自分さえよければいいと考えるのではなく、お互いを思いやり、みなで協力して生き延びようとする社会性を持つことなのです」社会性を持つ。
