池谷裕二さん。「アルコールは大脳皮質の活動をよく抑えます。アルコールはたまたま大脳皮質によく効く化学物質であっただけのことです。逆に、たまたま脳幹の部分に作用するような薬物があったなら、それは生命を脅かす物質となりますから、毒です。もはや嗜好品になりえません。人類の酒との付き合いは有史前に遡ります。大脳皮質の働きの一つは、『理性』を生むことです。理性の働きは本能を抑制することだと言えます。理性は、利己欲や性欲などの本能を抑制することで、ヒトを社会的な動物に作り上げています。本能は脳の中心部分から生まれます。つまり大脳皮質は、動物的な本能を抑制するように、後から発達してきた進化的に新しい構造だとも言えます。その大脳皮質をアルコールが抑制します。つまり、アルコールは理性を抑制します」そだな。