たとえば星を 

大阪の万博記念公園で天体観望会「星と遊ぼう」に家族で参加した。大阪では夜は明るくて星など観られないと思っていたが、まずまずの星の出。手作りの4倍の望遠鏡を作った後、主催者の用意してくれた大きな望遠鏡で月の表面などを眺めた。月は毎年数十メートルずつ落下しているらしく、4億年ほどもすれば地球にぶつかるという。太陽もだんだん大きくなって、水性、金星から地球と飲み込んで行ってしまうそうだ。とすれば環境を守り続けたとしても、地球も有限なのだ、というようなことを話を聞きながら考えた。机の上の仕事しか普段は視野に入らぬが、たまには遠くを眺めるのも良い。そうして我々は、池澤夏樹さんの『スティルライフ』の冒頭にあったように、世界と自分との折り合いをつけていくのだろう。たとえば、星を眺めるとかして。