きみのためのバラ 

最近読んだ本から、秋の夜長にお薦めをいつくか。短編集では『きみのためのバラ』池澤夏樹さん。『雪沼とその周辺』堀江敏幸さん。『ハヅキさんのこと』川上弘美さん。『風に舞い上がるビニールシート』森絵都さん。短編ながら全体として流れがあるもの。『容疑者の夜行列車』多和田葉子さん。あなた、を主語として二人称でこういう手法があったんですね。『ドロップス』永井するみさん。長めのものとしては、『無銭優雅』山田詠美さん。『めぐらし屋』堀江敏幸さん。共通するのは、しみじみといいなぁ、うまいなぁというところ。ノンフィクションでは、『星新一〜1001話をつくった人』最相葉月さん。映画(ビデオ)では、リチャード・リンクレイター監督の『Before Sunrise』(1995)とその9年後を描いた『Before Sunset』(2004)がなんとも切なくて、良かった。