大物感を感じさせる服装

山口瞳さん。「それは、将来会社を背負って立つような男や、独立して自分の仕事をはじめる男は、十年も勤めると、服装においても、どこかに大物感を感じさせるようになるということである。流行とは無関係に、自分のスタイルを掴むようになるということである。」昔の文章なので、「男」は「人」と読み替えなければならないだろうけれど、顔だけではなくて、服装にも「大物感」は出てくるのだろうか。そのあたりがよくわからない。単に上質のものを着る、身に付けるということだけではなくて、スタイルを掴めるかどうかという問題なのだろう。俗に京の着倒れ、大阪の食い倒れと言うが、その京都の袈裟職人の孫であるからして、遺伝子的にはそのような着るものへのセンスがあってしかるべきだとは思うのだが、いまだにスタイルが掴めずにいる。