数学的にありえない 

最近読んだ本から。『真鶴』『夜の公園』川上弘美さん。やっぱり上手い。文体が、くせになる。言葉に、発見がある。『幸福な食卓』瀬尾まい子さんもほんのりとよかったな。ちなみに瀬尾さんは『坊っちゃん文学賞』の受賞者で、今年は『坊っちゃん』100周年だとか。それにあわせて書かれた訳ではないけれど、『うらなり』小林信彦さんも良かった。どうも、文学というのは明らかに書かれておらず、深読みしなければ浮かび上がらない”謎”が隠れているほうが深いのでは、と思ったりする。『坊っちゃん』も実は事件の脇役であって、本筋は堀田・うらなりと赤シャツらの対立だし。エンタメ系では、海堂尊さん『チーム・バチスタの栄光』、奥田英朗さん『サウスバウンド』、アダム・ファウアー『数学的にありえない』が時間を忘れさせてくれてグッドでした。