復讐したい/モテたい

nakatomimoka2018-03-14

島田雅彦さん。「仇役側から小説が書かれる動機を考えれば、二つ目の理由はこうなります。『復讐したい』。虐げられた状態に甘んじることができず、逆転の勝負に打って出る主人公。そして三つめの動機は、『モテたい』というものです。人間が言葉でなし得ることの究極形態は、詩を書き、物語を紡ぐことといえます。文学の営みとは、言語能力の最も高度な活用術であり、人間の文化活動そのものです。思えば、他の動物にはあり得ないたぐいまれな想像=創造力で、人間は自然界に存在しないものも作り出してきました。それが『概念』です。概念を自在に弄ぶ能力があればこそ、神やあの世を作り出すことができたのです。概念をよりクリアにするために、人間は言語を高度に発展させ、神やあの世について詳しく語る神話を生みだしました」だれしもモテたい。