極限の中でのユーモア

nakatomimoka2011-10-08

五木寛之さん。「精神科医だったフランクルは、人間がこの極限状態のなかを耐えて最後まで生き抜いていくためには、感動することが大事、喜怒哀楽の人間的な感情が大切だと考えるのです。無感動のあとにくるのは死のみである。そして親しい友達と相談し、何か毎日一つずつ面白い話を作りあげ、お互いにそれを披露しあって笑おうじゃないか、と決めるのです。あすをも知れない極限状態のなかで笑い話を作って、お互いに笑いあうなんていうことに何の意味があるのか、と思われそうですけれども、そうではないのです。あすの命さえも知れないような強制収容所の生活のなかでユーモアのあるジョークを一生懸命考え、お互いに披露しあって、栄養失調の体で、うふ、ふ、ふ、と力なく笑う。これをノルマのように決めて毎日実行したというのです」感動がなければ。