経験は一種の貨幣

nakatomimoka2013-05-04

高橋源一郎さん。「『経験』についてしゃべると、そっぽを向いた。いったい、なぜ、こんなことが起きるのだろう。『経験というものが、一種の『貨幣』だからではないだろうか。なにかを『経験』したことのある人は、『経験』したことのない人に対して優越感を抱く。『私は、あんなすごいことを経験したのだ、きみたちとは違って』と、心の奥底で呟いてしまう。それは、要するに、『私は、きみたちの持っていないものを持っている』と自慢することだ。つまり、『私は金持ちだよ、きみたちと違って』というのと同じことなのである。金持ちが、貧乏な人に対して、にっこり微笑んで、『さあ、お金を少し分けてあげるよ』といったら、その貧乏な人は喜ぶだろうか。少しは嬉しいかもしれないけれど、やはり、馬鹿にされたように思うかもしれない」気をつけよう。