五感の感度を上げて祈る

nakatomimoka2014-03-14

内田樹さん「ミッションスクールにおける日常的な宗教教育のかたちについてヒントを求められたとき、私は『チャペルの掃除をさせたらどうですか』と答えた。祈りの場を清浄なものに保つことが宗教実践の基礎中の基礎だと思ったからである。当然ながら、人間は汚れた場所では祈ることができない。祈りとは幽かなシグナルを聴き取ろうとする構えのことである。祈るためには五感の感度を最大化しなければならない。だが、汚れた、騒がしい、悪臭が漂う場所で、私たちは五感を敏感にすることなどできない。感覚の感度を上げることによって不快が増す環境において、私たちは『祈る』という構えを取ることができないのである。だから、『祓い、浄める』ことが宗教的な行の一番基本に来るというのは、当たり前のことだと私は思っている」そうか。掃除と宗教。