土壇場を歓迎する

nakatomimoka2016-08-08

桜井章一さん。「雪山で猛烈な吹雪に襲われるホワイトアウトという状況では前後、左右の感覚が完全になくなってしまう。全てが真っ白な空間というのは真っ暗闇よりも精神を極度に混乱させ、理性のコントロールを失わせる。真っ暗闇の中でなら、人はまだ視覚以外の聴覚や嗅覚などを使って手探りでも動くことができる。私が命を幾度か落としかけても頭の中が真っ白になることがなかったのは、一つにはいつも先にあるものを感じ取ることが本能的な習慣として身に付いていたからだと思う。もう一つの理由は、私には土壇場という絶対的な窮地を、むしろ自分を試す場として歓迎するような感覚があったからだと思う。修羅場において最も大事なのは、自分を失わず、そこで主導権を取ること。どう捉えるかで修羅場の姿を変えることは可能なのである」試す場かぁ。