天ぷらは蒸し物

nakatomimoka2017-08-20

近藤文夫さん。「でも、私はどうしても野菜を使わなければダメだと考えました。というのも、私は天ぷらを日本料理やフランス料理といった料理のジャンルの一つとして成立させたいという思いを持っていたんです。世界中のどの料理も、その土地の野菜を使っている。天ぷらを単なる和食のコースの1品に終わらせないためには、野菜を取り入れ、天ぷら中心で飽きさせないコースを組めるようにしなければと思いました。それができれば、天ぷらをすしに負けない和食の代表格にできるかもしれない。もともと天ぷらは油で揚げて水分をなくし、素材の味を凝縮させるものとされていたんですが、私は「天ぷらは蒸し物」だと思っているんです。油の熱と水分を利用して素材のうま味を引き出すのが私の天ぷら。従来とは発想を変えたんですね」思いと発想の転換が革新を生む。