見えざる手の意味

nakatomimoka2017-12-11

島田雅彦さん。「アダム・スミスに代表される古典派経済学者は、市場原理に則ってやれ、と言ったわけではありません。富が一箇所に集中して偏在することを避けよ、要するに、金は天下の回りものなのだから、再投資と再配分へどしどし回さなければならないと言ったのです。金が回り回って、経済は動いていく。それをもって『見えざる手』と呼んだのです。だから、市場において自由競争をやっていけばよいという市場原理主義にお墨付きを与える意図など、もともとはない。しかし金融資本主義者たちは、それを都合よく曲解し、自分たちが全部の富をかっさらっていくことは『見えざる手』に従って市場原理に則ったものであるから、その自由は最大限尊重されるべきだ、と主張するのです。これには大きな間違いがあります」本来は重商主義の『見える手』排除の思い。