言語の発展と恋愛

nakatomimoka2018-06-29

島田雅彦さん。「そして現代に至るまで、先祖の偉大なる発明たる神話を翻案し、批評を加え、アレンジし、無数の物語のバリエーションを作ってきたのです。新しい文芸ジャンルである小説の全ての作品は、神話を起源とする物語のバリエーションにすぎないともいえる。神話が全ての物語の元型というのは、その意味です。また言語の発展は、恋愛の概念をも人間にもたらしました。言語を使って求愛を行えば、うまくすれば子どもを世に残せるのですから、これほどクリエイティブなことは他にありません。子孫など、オスとメスが交わればいくらでもできるじゃないかというのは間違いです。そのように手当たり次第に試みても効率が悪いだけ。要するにどんな動物でも、求愛には掟があります。その種にとって最も受け入れやすい求愛の方法があるわけです」言葉と恋愛。