言葉にならない納得

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黒川伊保子さん。「50代の知る本質は、文脈依存の本質。因果関係の真理を言い当てる。60代に入ると、本質の回路の抽象度が上がり、直感の域に入ってくる。ことばにならない納得が、降りてくるのである。能や書や古美術など、ことばにならない深遠の芸術は、いつの時代も60代、70代が支えている。ことばにならないものを、ことばにしないまま受けとめ、感応し、愛でる教養。芸術を鑑賞する者として、最高水準の脳になる。芸術のみならず、”世界”を鑑賞する天才でもある。桜や紅葉の一期一会が心にしみわたり、木漏れ日の一筋、雪のひとひらにも、ほろりとする。若き日の感受性とはまた違う、人生を味わい尽くす感覚である。60~70代は、旅と習い事の好機とも言われる。初めての町に降り立っても、その街のありようが、すとんと腹に落ちる」60代。