生きる力を高める

f:id:nakatomimoka:20190904222828j:plain

内田樹さん。「武道の本旨は、『人間の生きる知恵と力を高めること』であり、それに尽くされるからです。『生きる力』というのは他人と比べるものではありません。比べてよいのは『昨日の自分』とだけです。昨日の自分よりは胆力がついたか、昨日の自分よりはリラックスできているか、昨日の自分よりは包容力が豊かになっているか……そういう点検は自分自身の状態を自己点検するためにはたいへん有用なことです。でも、他人と比べるものではない。澤庵禅師の『太阿記』の冒頭はこんなふうに始まります。『蓋し兵法者は、勝負を争わず、強弱に拘らず、一歩を出でず、一歩を退かず、敵、我を見ず、我、敵を見ず。天地未分、陰陽不到の処に徹して、直ちに功を得べし』とりあえず勝敗強弱を論じているうちは武道の話は始まらないということです」勝負でなく。