協調性と独立性

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内田由紀子さん。「コロナ禍に陥る以前からすでに、日本的なこころの中では伝統的な協調性と新しく導入された独立性のコンフリクトが生じていたように思われる。このコンフリクトにより、協調性と独立性は双方共に良い面と悪い面が同時に発露するようになってきていた。すなわち、独立性は主体的で自由な意思決定を促進する一方で、競争性や過度な権利意識を高めてきてしまっていた。また、協調性は他者とのつながりに心地よさを覚える部分と、つながりが規範化することによる息苦しさの両方を与えてきた。(略)芸術や文化は単に余暇として楽しむものではなく、集団内での互いの共感や助け合いを通じて生き延びてきた私たちのこころが欲してきたものでもある。だからこそ、心と心を結びつけるという機能を有しているのである」繋がりの心地よさと息苦しさ。