「で」を抜くこと

中村直史さん。「マクドナルドと言えば、『でも・しか』的要素が強かった。マックでもいくか、マックしかないから行くか。コロナ下でも追い風が目立つマックだが、実は2018年に『価格』から『体験』を重視した高付加価値戦略に転換したことも奏功している。旗振り役が、日本マクドナルド取締役でCMOを努めるズナイデン房子氏だ。ズナイデン氏の考え方はシンプルで『ブランド価値とは、体験価値を価格で割ったもの』。マックの価格は、大きく下げようがない。では、いかに体験価値を上げるか。ポイントは2つ。消費シーンの拡大と、大人向けのプレミアム商品の投入だ。「とにかく『マックでいい』の『で』を抜くこと」(ズナイデン氏)。『でも・しか』という消極的な動機ではなく、『マックがいい』という積極的な動機の醸成が欠かせないわけだ」がいい。