記憶と想像で

村上芳子さん「確かに、時間は空間のように自分の足で行き来することはできません。でも、人間だけに備わっている『思考』という乗り物に乗れば、自由に過去に行ったり、未来に行ったりできるのです。過去には『記憶』という乗り物で行くことができます。未来には、『想像』という乗り物で行くことができます。私たちは、記憶を使って、いつでも好きなときに過去を思い出します。それはまるで、過去に旅をしているかのようでもあります。そして、想像という道具を使えば未来にいくことも可能なのです。私たちは、目の前に起こっていることを知覚して、脳に電気信号を送り込んでいます。ところが、目の前の映像だけではなく、記憶や想像といった思考でも、脳は同じように反応するのです」過去は変えられないというけれど、記憶で変えられるのか。未来はどうだ?