怠惰嫌悪

オリバー・バークマンさん。「病的なまでの生産性依存は、世の中に広く蔓延している。社会心理学者はそういう状態を『怠惰嫌悪』と呼ぶ。何もしないことが嫌で仕方ないという意味だ。マックス・ウェーバーは、こうした態度が現代人の精神の核心にあると主張している。この種の勤勉さが最初に登場したのは北ヨーロッパカルヴァン派キリスト教徒においてだった。カルヴァン派の人々は『予定説』を信じていた。個々の人間の宿命は生まれる前から決定されていて、死後に救われるか地獄に落ちるかは人の意志ではどうしようもないという説だ。カルヴァン派の商人達は、せっせと勤勉に働くことで、自分が救われる側である事を他人にも自分にも証明しようとした。こうしたカルヴァン派の勤勉さが、初期の資本主義を突き動かす原動力になったとウェーバーは論じる」怠惰。