幸福の敵

楠木建さん。「他人との比較ーより厳密に言えば嫉妬ーこれこそが幸福の敵であり、人間にとって最大級の不幸のひとつだと僕は思っています。嫉妬という不幸にして醜い感情の源泉は比較可能性にあります。面白いことに、自分と比較できないところにいる対象に嫉妬する人はあまりいません。ドバイのハムダン王子には嫉妬しません。空間的に遠いし、王家に生まれたわけではない自分とはそもそも比較のしようがないからです。大化の改新を主導した中大兄皇子に『うまくやりやがって……』と嫉妬する人は稀です。時間的に遠すぎて、現代とはまるで状況が違うので比較可能性は低い。自分について根拠のない有能感を持っているほど、無意味な他者との比較に陥りがちです。『俺はデキるのに……』という思い込みがあるから、他人と自分を比べて嫉妬にかられる」嫉妬が原因。